【エッセイ105】元気がないときの価値って?

いきなりですが、「元気がないときの良いこと」って何だと思いますか?

普段、私たちは「元気なほうが良い」とあたりまえのように思っているのではないでしょうか。
生き生きしていると楽しいですし、気分も明るくなりますし、良いことだらけですよね。

なので、元気がなくなったり 、疲れたり、落ち込んだりしたら「嫌だ」と思って、なんとかその状態から早く抜け出して元気になりたいと思うわけです。

では、少し角度を変えて見てみましょう。
この元気じゃないときの良いことって何だと思いますか?

例えば病気とか風邪をひいたりすると、当然元気がなくなるわけですが、そんなときにも良いことってあるのでしょうか?
そんなときからも、何かしら価値あるものを見つけたりすることができるのでしょうか?

私の場合、体調をちょっと崩したりするときが年に数回あったりします。そんなときは体力が落ちているので、それまでできていたことが少ししかできなかったり、あるいは全くできなかったりします。

そうすると、今までだとついつい夜遅くまでネットをダラダラ見たりといったことに時間を使ってたのが、体力がなくなることでネットを見る気力も無くなり、自然に早く寝るようになります。
仕事も本当に大事なことだけ何とか続け、あとは断ったり、他の人にお願いしたりします。

元気なときには見えなかった余分なものや過剰なものが、元気が無くなることで削ぎ落とされてしまい、結果的に日常生活も仕事もシンプルになるのです。

日常生活や仕事がシンプルになると、何が本当に大切なのかが目に見えて分かるので、私はこれを大事にしていればいいんだなというのがよく分かるようになりました。

自分の人生にとって何が本当に大切なのかは、頭ではなく、体が教えてくれます。

何かをするにはもちろん元気なほうが良いに越したことはありません。
ですが、元気がなくなったときこそ、自分が本当に大事なものが見つかるチャンスだと捉えると、元気が無い状態も案外悪くはないかもしれませんね。