アミストラはかく語りき 第43回目に取り上げる映画は、世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人画家、その妻との愛と葛藤を描いた「リリーのすべて」です。

主役を演じたのはエディ・レッドメイン。男性として生きてきた自分が、内に閉じ込めていた女性としての自分に目覚めていく姿をみごとに演じきりました。

リリーになった時の仕草、目線、表情など、悶絶するほど美しい!!

では、あらすじをどうぞ(Yahoo!映画より

1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼される。
その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。
それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナーは、心と体の不一致に悩むことに。
当初はそんな夫の様子に困惑するゲルダだったが、次第に理解を深め……。

はるな愛、マツコ・デラックス、ミッツ・マングローブ・・・
現在、性別を超えたタレントをテレビで観ない日はあるでしょうか。

縦横無尽の彼らを観ると、一般社会でも市民権を得たかのように思えますが、実際には、まだまだカミングアウト出来ない人が大半なのでしょうね。

まして映画は今から100年近く前。当時は性同一性障害という概念もなく、精神病や犯罪者扱いでした。

解剖学上の肉体と、心の性別が不一致のまま生きるアイナーの苦悩や絶望は計り知れません。

女性である自分を、リリーと名付けたアイナー。

ついには女性として装うだけでなく、身体もリリーになるための手術を受けたのです。

本来の自分に戻るために、命がけの決意でした。

 

これまで、性別をさほど深く考えずに生きてきました。

人間は肉体の構造に性別を二分され、私は「女性」の分類に入ります。

が、内面は・・・というと、どうでしょうか。

 

例えばファッションやメイク、インテリアなど・・・一般的に多くの女性が好むとされてますが。

決してゼロでは無いものの、関心は薄いです。

昔からフリルの服は苦手ですし、メイクもスピーディ命(笑)

女性誌をめくっても、冒頭を飾る着こなし術をすっ飛ばし、最新のガジェット特集に食いつく有様です。

そんな私の趣味はというと、映画を観ること、読書すること、美術館めぐり・・・あと最近は山登りでしょうか。

見事なほど性別に関係ないものばかりです。

仕草や立ち居ふるまいも・・・優雅な手つきのリリーの足元にも及ばず、性格的にも、生まれてこの方「女性らしい」と言われた記憶がありません。

とはいえ、男性的とも言い難く、あえて言うなら草食系男子に近いでしょうか。

 

内面が中性的な私は、男性の身体に宿っても、リリーほどには違和感がないかもしれません。

私が胸張って「女性」といえるのは、肉体だけなのでしょうか。

 

私が生まれた頃の日本社会は、まだまだ男性と女性との役割が明確に分かれてました。

現在では職業の性差がどんどんなくなり、伝統的に女性の役割だった育児にも、積極的に男性が関わるようになりました。

21世紀はますます性差の垣根を超えて、一人の個人として理解しあう時代に変わるのではないでしょうか。

もちろん社会が求める「男性像」「女性像」や、肉体的構造が内面に影響を与えはします。

ただ、本来生まれ持った自分の気質には、男性・女性の区別などないのでしょう。

 

私も、そして誰もが本来はトランスジェンダーであること

性別に自分を押し込めるのではなく、一人の人間として生きていくことは

すべての人間の自由と解放に繋がることを、本作品が教えてくれました。