イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

 

アミストラはかく語りき 第27回目に登場する映画は「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」です。

第2次世界大戦時、難攻不落と名高いドイツ軍の暗号エニグマの解読に挑んだ、天才数学者アラン・チューリングが主人公の作品です。

では、あらすじをどうぞ (シネマトゥデイ より)

 

第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。
高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。
いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。

 

第二次世界大戦中、最前線で多くの血が流れる中で、密室では国家を挙げての情報戦が繰り広げられていたのです。

大戦中の英国にて秘密裏に、ドイツ軍の暗号エニグマを解読をミッションとするチームが編纂されました。

その中のひとりが、ベネディクト・カンバーバッチが演じる天才数学者アラン・チューリングです。

 

後世に名の残る、スバ抜けて天才と呼ばれた人たちは、奇異なふるまいで、周りからは変人扱いされた人が多いのではないでしょうか。

アランも例外ではありませんでした。

暗号文の解析にも既にセオリーが存在し、アラン以外のメンバーは、従来のセオリーどおり解読しようと試みたのですが。

難攻不落のエニグマを前に全く歯がたたず、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組合せを調べ終わるまでに2000万年かかると分かりました。

その傍らでアランは奇妙なマシンを作り始め、機械に暗号の解析をさせようとしていたのです。

人とコミュニケーションがうまく取れない、今でいう”コミュ障”なアラン。

他人の言動が理解できない彼は当然、周りからも理解されません。

コンピュータも存在していなかった時代に、機械に暗号を解析させるなんて発想は、理解の範疇を超えてます。

しかし彼の異端さこそがブレークスルーとなり、最終的にヒトラーの息の根を止めたのです。

 

2年の歳月を経て、ついにドイツ軍による暗号の解読に成功したアランたちの功績により、第二次世界大戦は二年早く終結することができ、1400万人もの人を救えたと言われています。

これだけの功績をあげたにも関わらず、第二次世界大戦後、彼の人生は破滅へと向かっていきました。

性的に普通じゃない、つまり同性愛者である、それだけで罪とされてきた時代だからです。

普通とはあまりにも異なる個性が彼に、最大の栄誉をもたらしたと同時に、最大の屈辱ももたらすこととなりました。

 

彼だけではありません。多くの尖った個性や才能が、歴史の荒波の中でどれだけ消え去っていったのでしょうか。

そして、彼らがもたらす多くの恩恵を、私たちはどれだけ失ってきたのでしょうか。

 

本作品に流れるのは、50年以上経て名誉回復を遂げたアラン・チューリングへの畏敬の念です。

憔悴しきったアランを訪ねた元同僚のジョーンが代弁しました。

「今日、私は消滅していたかもしれない街から列車でやってきたわ。死んでいたかもしれない男からも切符を買ったの」

「もしあなたが普通を望んだとしても、私は絶対にお断り。あなたが普通じゃないから、世界はこんなにも素晴らしい」