ネタバレ注意!!

アミストラはかく語りき 第47回目で取り上げる映画は「メッセージ」です。

映画メッセージ

原作はSF作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」。

すぐには消化できなかったものの、後からジワジワと染み込む作品でした。

いつものように、あらすじをどうぞ。(Yahoo!映画 より)

巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。
彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。
やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し……。

 

突然現れたナゾの生命体。しかも2体。

イカのようにグニャグニャした生命体は、映画「インディペンデンス・デイ」の宇宙人を思い出させます。

もし彼らに言語があるなら、それを解析できないか

軍から依頼された主人公の言語学者ルイーズは、ガラス越しに対面することになりました。

一体どうやって コミュニケーションを図ればいいのか?

私には皆目、見当もつきませんでしたが

姿形から「ヘプタポッド(七本脚)」と名付けられた宇宙人とどうにか対話を試みるうちに、言語らしきものがあると分かったのです。

 

どの言語を使用するかによって、思考や世界観に影響を及ぼすと言われています。

英語を使うと考え方がガラリと変わる、英語が堪能な友人たち(日本人)がよく言ってましたが。

人間同士でさえこうですから、ヘプタポッドと人類との違いは・・・想像を絶するものでしょう。

 

そもそも、彼らとは時間の概念が違う・・・いや、時間というもの自体が無いといって差し支えありません。

ルイーズは、そのことに気づいたのです。

現在・過去・未来、その全てが今この瞬間、同時に存在する - これは量子力学ではおなじみのパラレルワールドの考え方です。

パラレルワールドと呼ばれるものの概念は、私にもわかりますが。

はたして、その世界を生きる存在がどんな思考やモノの観方をするのか・・・

時計の針が進む世界しか体験していない私には、いくら思考で考えても分かりません。

そもそも、無理なのですね。

時制がすでに組み込まれている言語を使って、時制の枠を超えた世界を理解しようとすること自体が。

しかし映画のなかで、ルイーズは彼らを理解しはじめたのです。

それは、なぜか?

彼らの言語を解析することで、言語やその概念が染み込んできたのがその理由でしょう。

断片的にですが、ルイーズが現在を生きながら、同時に未来も垣間見えるようになりました。

 

卵が先か 鶏が先か

つまり、です。

私たち人類が言語を獲得する過程で、時間の概念を入れ込んでしまったのか
時間が流れる世界が先にあって 後から言語を当てはめたのか

今となってはもう分かりません。

もし私たち人間が言語を獲得する過程で、今とは全く違う世界の認識をしていたなら・・・どうでしょうか。

今ある地球は、まるで様相が違っていたかもしれません。

そして今、地球が危機に陥っているとしたら・・・

手持ちの言語、その概念に囚われていては、この危機を回避できないのかもしれません。

映画のなかでは、はるかかなたの世界からやってきたヘプタポッドのおかげで

時制を超えたビジョンを観たルイーズがある行動をとり、地球を救うことになりました。

映画のなかだけの話しではなく、私たち人類にもヘプタポッドが現れるでしょうか。

同じ人類でも言語によって、虹の色が4色しか観えなかったり、7色に観えたりするように。

仮に現れていたとしても、手持ちの言語や概念ではその存在が観えないのかもしれません。

では、どうしたらいいのか? その答えは安易には分からないですが。

近未来の人間へのまさに「メッセージ」として、この映画は現れたのかもしれません。