ネタバレ注意!!

アミストラはかく語りき 第50回目に取り上げる映画は「君の膵臓を食べたい」です。

君の膵臓を食べたい

天真爛漫でクラスの人気者だった咲良。

クラスメイトの僕(名前は明かされない)が、周囲にひた隠しにしてた咲良の病気を偶然知ったことから、ストーリーは始まりました。

友達を作らず、いつも一人で行動していた僕に、咲良は何かにつけ近づきます。

戸惑いながらも一緒にいるうちに、僕も少しずつですが、打ち解けていきました。

二人が距離を縮める間にも、病いは静かに進行していきますが・・・。

 

咲良は昭和の少女マンガを地で行く、友達思いで可愛いキャラクターなのですが。

そんな彼女にも人知れず、影を背負ってました。

余命いくばくもない病気のことを、親友にさえ告げられず。

家族の前で、弱音を吐けませんでした。

周りに心配させたくない、悲しませたくない、彼女の優しさがそうさせるのでしたが。

自分の弱さを人にみせる勇気をもてず。

相手が取り乱す様を、受け止める自信がなかったのでしょう。

まだ16歳。自分の弱さと、これからいくらでも向き合えるはずですが。

彼女にはその時間が与えられなかったのです。

そんな咲良の前に現れたのが、僕でした。

咲良の事情を知った後も、我関せずと同情すらしません。

いつも一人でいて何が悪い?

他人からどう思われようとお構いなしです。

学生時代は、学校が世界の全て、そう言って過言ではありません。

そこで、孤独をものともしない人がいるのは、私にとっても驚きです。

ずっと気になっていたんだ・・・後に咲良は僕にこう告げます。

 

咲良と僕は、太陽と月。

陰陽のコントラストです。

お互いの存在は、これまでの人生で育ててこなかった、もう一人の自分でしょう。

「友達をつくって、人とちゃんと関わって、生きてほしいの」

他のクラスメイトとは決して交わろうとしない僕に対して、熱く訴える咲良がいました。

 

君の膵臓を食べたい

身体で悪いところがあると、動物のその部分を食べることで良くなるらしい。

昔の人が信じていた言い伝えを、僕はさくらから聴きました。

命とは何かを僕に語りかけた咲良の生きた証が、

僕の心に宿り、時間とともに育っていくのです。

赤ちゃんがよちよち歩きで、一歩ずつ大地を踏みしめるように。

僕もおそるおそるですが、人と関わりはじめました。

 

「わたし、生きたい。大切なひとたちのなかで」

まもなくこの世を去る 静かな時間のなか

僕に宿った、咲良の願い。

臓器のように働きかけ、新しい僕へと導いてくれます。

亡くなった人たちがこの世に遺した意思を引き継ぎ、いや食べながら

私たちはこれからも生きていくのではないでしょうか。