クライアントを増やしていきたいというコーチに「『100人コーチング』をしてください」と提案することがあります。

その名の通り、100人の人にコーチングを受けてもらう(有料、無料問わず)ということですが、実はこの100人コーチングは、コーチを仕事にしていく上でも、セッションの技術をあげる上でも、非常に効果があります。

前回は、100人コーチングを行う意義について最初の4つをお伝えしました。

今回は残りの4つを紹介しましょう。

 

5.自分はコーチだというセルフイメージを自然と持てるようになる

コーチングを習い始めた頃は、自分のことを「コーチです」と名乗ることにどこか躊躇したり、違和感があったりします。

以前に、習い始めたばかりの人が自分のことを「コーチ見習いです」と自己紹介をする場面に出くわしたことがあります。

「なんて、もったいない! 見習いと言うと、相手も半人前だと思うじゃないか。」

コーチングに興味がある人がコーチと名乗る人と出会ったとき、「コーチです」と名乗る人と「コーチ見習いです」と名乗る人とがいたとき、安心してコーチングを受けたいと思うのはどちらでしょうか?

「コーチです」と名乗ることは、相手に安心感を持ってもらうことにも繋がります。

100人コーチングをすると、出会う人に「コーチをしている◯◯です」と名乗ることになり、周りの人もあなたのことをコーチだと見る人が増えます。

そうなると、自分はコーチなんだというセルフイメージを自然に持てるようになります。

自分はコーチなんだというセルフイメージを持つと、そこから、コーチとして何を大切にするか、コーチとしてどう振る舞うか、コーチとしてどう人と接するかを自然と考えるようになります。

こうして、コーチとしてのあり方、考え方、態度、行動、振る舞いが一致してくると、周りの人はさらにあなたのことを一貫性のある人として見てくれるようになります。

この一貫性が、あなたからコーチングを受けてみたいという安心感や信頼感につながってくるのです。

6.コーチングに自信を持てる

100人とコーチングしたら、大抵の人とはコーチングできるだろうという根拠のない自信が間違いなく生まれます。

コーチングを受けた方が喜んでくれる姿を見たり、受けてこんな気づきがあった、こんな変化があったというフィードバックや感想をもらうと、「コーチングっていいんだ!」と自然と思えてきます。

もちろん、課題や改善点も見つかるでしょうが、それはあなたが更に成長する余地がそこにあるというサインです。

こうしてコーチングに自信を持てるようになると、コーチと名乗ることへの躊躇も減り、積極的に活動できるようになります。

7.お役に立てるクライアント像が明らかになる

100人とコーチングをする過程で、自分がコーチとして、どんな立場の方のお役に立てるのか、どんなテーマを持った方のお役に立ちたいのかといったことが肌感覚でわかってきます。

マーケティングやブランディングのセミナーで「ターゲットにしたいクライアントを明確にしなさい」と教えられることがありますが、アタマで考えたとしても、お役に立てている実感がないので、なかなか対象を明確にできなかったりします。

仮に「この方たちかな?」と決めたとしても、本当にお役に立てるのかどうか自信が持てなくて、声をかけるのを躊躇してしまうこともあります。

体験を通して、お役に立てる人やテーマを実感できることで、自ら声をかけるときも、人に紹介をお願いするときも「こういう人をコーチングしたいんです」「こういうテーマを持った方のお役に立てます」と自信を持って伝えることができるでしょう。

8.打たれ強さ(タフさ)が身についてくる

100人をコーチングするためには、100人以上の人に声をかける必要があると書きましたが、その過程では、「興味ないし」「別にいいよ」 と断られることもあるでしょう。

さらには「そんなので食っていけるの?」「普通に勤めたほうがいいよ」とありがたい(迷惑な(笑))アドバイスをもらうこともありますし、「何それ、宗教?」とか「怪しいセミナーじゃないの」と露骨に嫌がられることもあります。

そんな心が折れるような体験に、最初はショックを受けるのですが、それでも続けていると不思議なことに疑っていたような人が応援する側に回ったりするのです。

そんな体験を重ねるうちに分かったことは、否定する人、批判する人、疑う人は、自分が本気かどうかを試すために現れてくれるんだ、ということでした。

一見、逆風のように見えても、そのおかげで足腰が強くなる、鍛えられる。打たれ強さ、タフさが身につく。

温かい言葉をかけてくれたり、励ましてくれたりと分かりやすく応援してくれる人と、厳しい言葉をかけることで、本気でやるという決意を強くしてくれるという一見分かりにくい応援をしてくれる人がいるだけなんだということが、ようやく分かってきました。

人生と同じく、プロコーチの道も順調なときばかりではありません。

時には、もう辞めようかと思うような場面に出くわすこともあるかもしれません。

そんなとき力になってくれるのは、100人コーチングをする中で受けた分かりやすい応援と一見分かりにくい応援。この2つの応援です。

 

以上、前回と今回とをあわせて100人コーチングの意義を8つご紹介しました。

あなたがコーチとして一歩踏み出すキッカケとなれば嬉しいです。