クライアントインタビュー

Client Interview

クライアントインタビューVol.16 ~ 中澤博之さん

1975年生まれ、島根県出身

ASTER-A 代表
国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)
国家資格キャリアコンサルタント

製造業の経営者として12年間会社運営に携わる。
2018年より、中小企業の人材育成コーチとして、「人の成長=企業の発展」をコンセプトにパーソナルコーチングや事業所研修を展開中。
主に島根県全域の介護事業所を対象として、これまでに132回の研修を開催。パーソナルコーチングは624時間。
コーチング理論をベースにした管理職・リーダー向けの研修プログラムでは、参加者の96%から「わかりやすい」の声を頂く。

山陰地方の介護施設にコーチングを広め、組織力の向上やコミュニケーション能力の向上、何よりも働く人がやりがいの向上をサポートしていくことで、“働き続けたい職場”が一つでも多く実現するよう貢献している。

クライアントインタビュー

クライアント: 中澤 博之(なかざわ ひろゆき)さん

インタビューアー: 赤木広紀

実は数年前に、別のコーチの勉強会で名刺交換していたんです

ではまず最初に、私のコーチングを受けようと思った理由を教えてもらえますか?

最初は受講していたコーチングスクールの先生から、コーチングを受けてました。
そのコーチングが終わって1年ほど経った頃、またコーチングを受けようかと思い始めた頃に、知り合いのコーチから「赤木さんから受けてみたら?」と紹介されました。

ただ、すぐにコンタクトを取った訳ではなく、しばらく保留したのですが。
とにかく一度会ってみようと思いたち、福岡で開催された「コーチのための勉強会」に参加しました。

その時、初対面だったんですね?

僕もそう思っていました。

えっ、違うのですか?

後で知ったのですが、実は数年前に、別のコーチの勉強会で名刺交換していたのですよね。

福岡の「コーチのための勉強会」を受講して、赤木さんに興味を持ったのです。
そこに参加する人はみなコーチで、しかも経験が豊富な方も多い。
そんな方々からの質問を赤木さんは答えるのですが、その答えが的確というか・・・

質問されてすぐ答えるという感じではありません。
質問内容をさらに確認し、相手の質問の意図をはっきりさせた上で、赤木さんは答えを出していたのです。

そうだったんですね。興味を持っていただいて、ありがとうございます。

僕のなかで「いいコーチと出会えた」というのがありました。

ただ、それですぐにコンタクトを取ったのではないのですが。
赤木さんのコーチングを受けようと本気で思ったのは、コロナ渦がきっかけです。

コロナ渦が、ですか?

研修の仕事などが、一旦ストップなりました。
時間的にゆとりが出来たこの時期に、自分のレベルアップをしようと決意したのです。

あと、僕もコーチのための勉強会みたいなのが出来るようになりたいと思ったのかな・・・ それで、コーチングを依頼したのです。

ある人から「中澤さんはコーチングが向いているんじゃない?」と言われました

話は少しさかのぼりますが、中澤さんとコーチングの最初の出会いは?

僕自身が人生を賭けた、大きな目標を目指していたときに、その目標自体がスパッと無くなったことがありました。

まさに人生のどん底に落ち、「これから何したらいいのだろう?」と途方に暮れていたのですが。
そんな出会ったときに、ある人から言われました。

「中澤さんはコーチングが向いているんじゃない?」

それを言われたときは、コーチングについて、何かご存知だったのですか?

いえ、「ん? コーチングって何?」という状態だったので、帰宅後すぐにネットで調べました。

コーチングについて書かれていた記事のなかで、
「答え、能力はすでにその人自身に備わっている」という言葉に惹かれました。

その言葉のどこに惹かれたのでしょうか?

当時は会社を経営していました。会議をしても、社員はみな意見を言わないのです。
しかし、社員ひとりひとりと個別に対談すると、会社のことを思って色々と話してくれました。

会議とかでは意見を言わなくても、1対1だと話しやすいのでしょうか?

そうですね。まさに「答え、能力はすでにその人自身に備わっている」という体験でした。

会議の場だけで社員を見ていると、つい、みんなだめな奴だと思いがちでした。
しかし、個別に話すとやる気もあるし、会社のことを思っているのがすごく多かったのです。

「『答え、能力はすでにその人自身に備わっている』あぁ、本当にそうだなぁ」と、しみじみ実感できました。

そこで「よし!コーチングを勉強してみよう」と。
当初はダメで元々、出来るかどうかわからないけど、とりあえずやってみようという感覚でスタートしたのです。

他の人からコーチングを勧められたのですね。その方が、中澤さんに合ってると言った理由は何だったと思いますか?

直接は聞いてませんが、振り返ると、もともと人の話をよく聞いていましたね。

いや、今にして思うと、ちゃんと聞くことができていたかどうかは分かりませんが。
とにかく人の話をすぐに否定したり、あぁだこうだと言ったりはなかったですね。

分かるのと、出来るのは違う。それを痛感しています

なるほど。中澤さんのそういうところを見て、コーチングを勧められたのかもしれませんね。

ところで、コーチングを学んでみての感想はいかがでしたか?

言うは易し、行うは難しい。分かるのと、出来るのは違う。それを痛感しています。

「痛感しています」ということは、今もですか?

はい、今もです。

コーチングのやり方を学んだあとは、あぁなるほど、こうやればいいんだと納得できるのですが。

いざ実践でやっていると、やはりナマ物なので、そううまくはいきません。
もちろんうまくいくときもあるのですが、あそこをもう少し深堀りしておけばよかったとか、
後から考えることは、ずっと尽きませんね。

コーチング自体は、学べば誰でもわかると思います。
そんなに特別なことではないし、すごく難しいスキルを習得する必要があるかと聞かれると、そうではないでしょう。

しかし誰もが分かるけど、誰もができるか? というのは別問題ですね。

誰もが分かる、でも、誰もができる訳ではないというのは、なぜでしょう?

やはりみんな、人間だからです。自分の価値観を脇に置かないと、コーチングはできません。

それが、アッキーさんの冊子(※コーチであり続けるための3つの秘訣)にある
「クライアントファースト」につながるし、そこにたどり着かないと、コーチングができるにはならない。

かといって、自分のエゴを完全に押さえてコーチングするのか? というのも違うのです。
自分のエゴはあると分かった上で、クライアントファーストに立たないと、これまたうまくいきません。

コーチングを通してクライアントと向き合ってるが、自分とも向き合っている。
そうなるとスキルがどうこうでは無くなり、在り方と向き合うことになります。
それは永遠の課題ですよ。

在り方が大事とは、コーチングスクールでも教わっていましたが、実感が持てたのはコーチングを実際にやるようになってからですね。

しかも、無料でやっているときって、自分のスキルを出すのに必死だったけど、お金をもらいはじめてから、変わりました。
なかなかクライアントが目標達成にたどり着かないときに、在り方の重要性に気づいたのです。

クライアントさんごとに、クライアントファーストが違うと思います

無料でしていたときと、有料でセッションをするようになって、何が一番変わりましたか?

自分に対するコミットメントですね。

絶対にこのクライアントさんが目標達成できるように関わるぞ、という気持ちになりました。
仕事としてやっている以上、クライアントが欲しい成果が手に入ることへのコミットメントが求められます。
そうなるとスキルだけで関わる訳にはいかなくなりました。

そのころから、中澤さんは「クライアントファースト」だったんですね。

今でもセッションごとに、自分はコーチとして「クライアントファーストで在ったかどうか」を、振り返りをします。

クライアントファーストは到達点ではなく、道なんですね。永遠にゴールはない。

クライアントさんごとに、クライアントファーストが違うと思います。

優しさを求める人もいれば、厳しさを求める人もいます。
そのクライアントさんの状況によっても変わりますね。
クライアントファーストという言葉だけ聞くと、優しさ、寄り添うというイメージが湧きますが、実はそれだけではありません。

でも、本当のクライアントファーストだと、ときには厳しいフィードバックも必要です。
ただ、「それは今、このタイミングなのかどうか?」は、すごく問います。
逆にタイミングを逃してもいけないのです、クライアントのために。

また、Doingで突っ走れるときもあれば、Beingをしっかりやらなきゃいけないときもある。

それはクライアントの状況によっても、それぞれの個性によっても変わります。
クライアントファーストの答えは、一つではないですね。

クライアントの数だけ、クライアントファーストがあるということですね。

そうです。これができたら、クライアントファーストを確立した、というのはありません。

いやぁ、僕自身が日頃感じていることを、見事に代弁してくださったように思います。

これが、アッキーさんのコーチングを受けた成果だと思います。

こういう考え方が身についたのが、ですね。

売上が自然と上がりました

では私(赤木)からコーチングを受けてみた成果はなんでしたでしょうか? 変化や気付きなどもあれば教えてください。

まず、成果という面でいうと、売上が自然と上がりました。

あぁ、嬉しいですね。ところで、自然と上がったとは?

ガンガン営業はしていません。
なのに、色々なところから紹介してもらえるようになりました。出会う人の幅が広がりましたね。

それはコーチングの成果の一つです。
ダイレクトにコーチングの成果と結びついているかどうかはわかりませんが、
コロナ渦が始まった頃はともかく、しばらくすると依頼が頂けるようになり、
今ではコロナ以前と同じくらい研修の依頼があります。

それはなぜかと考えてみたのです。

以前は「どこに営業しようか」「どういうコンテンツを提供しようか」といったことばかり考えてました。
私は介護施設での研修が多いのですが、いつしか「介護施設で働く人に良くなってほしい」と自然と考えるようになりました。

自分のなかの在り方(Being)が高まってきたら、自然と声がかかるようになりましたね。

介護施設での研修が多いということですが、そこで働く人が元気で働いてほしいという願いが、中澤さんからあふれていますよ。

DoingのコーチングとBeingのコーチングをアッキーさんにしてもらいました。
これはかなりコーチとしてレベルアップにつながりました。

Doingってみんな考えていることですね。
どうすればうまくいくのか?など。

それでもうまくいかないときは、Beingに原因があることが多いです。
売上を上げることばかり考えていた私が、コーチングを受けて、Beingが深まり、気持ちが軽くなりました。

ただし、なんでもかんでもBeingではありません。
DoingとBeingはセットであり、両方大事ですから。

コロナ渦でも、成果が出ているということは、学んだこと体験したことを即アウトプットされているからでしょうか?

そうですね。自分が経験していいなぁと思ったことは、自然と反映させていますね。

壁にぶつかっているコーチがブレイクスルーするために受けてほしいです

どういう方に、赤木のコーチングは役に立つと思いますか?

どういう人にでも役に立つと思いますが。
あえていうと、コーチですかね。

コーチの人から、伸び悩んでいるという悩みはよく聞きます。
実際には伸びてるのですが、それでもご自身は納得できず、これでいいのかという疑問を拭えない人もいますね。

そういう方に、赤木さんのコーチングは役に立つと思います。

あと、逆コーチングといって、私が赤木さんにコーチングをする機会があるのですが。
自分がやってみることで、自分のコーチングの特徴、コーチングのレベルの現在地がよく分かります。

どんなレベルのコーチであっても、赤木さんのコーチングを受けてほしい。
どんなにベテランコーチであっても、整体といっしょで、体の歪みは自分で気づくことができませんし。

スクールでコーチングスキルを学んで、うまくやってきたつもりが、壁にぶつかっている。
それは、実際コーチングを行ったからこそ、出てくる壁です。
その壁にぶつかっている人がブレイクスルーするために受けてもらえたら、と。

お年寄りが幸せになれる県、働く若い人たちがお年寄りを幸せにしてあげることができる島根県になれば

ありがとうございます。
逆コーチングは、いろんな方から「やる前は緊張するけど、やってみたらとても良かった」と言ってもらえます。

最後に、中澤さんの今後のビジョンを聞かせてください。

そうですね、僕は島根県の介護施設にコーチングを広めたいと思っています。
各施設に一人施設内コーチがいてもいいのでは? と思うほどです。
それくらい、県内に少しずつコーチングを広めて、コーチングを充実させていきたいです。

県内の介護施設にそんな施設内コーチが増えたら、どうなるでしょうか?

僕が高齢になったら、安心して施設のお世話になれるでしょうね(笑)。
県内のお年寄りは多いので、それが県のブランドにもなると思います。

「島根県は入居者を大切にする、働くヒトが喜びややりがいをもって、疲弊していない」そんな県にしていきたいです。

それって、島根県は田舎だから、ですね。
田舎には、田舎の強みがあり、都会を目指しても仕方がありません。

地域の特性を生かして、そこで働く人がたくさん増え、
お年寄りが幸せになれる県、働く若い人たちがお年寄りを幸せにしてあげることができる、
そんな島根県になればいいなぁと本気で思っています。

いずれ私たち自身が間違いなく、年を取っていくわけですし。
安心して年を取ることができると、みんなが思えたら幸せですね。

今日はありがとうございました。

インタビューを終えて

「お年寄りが幸せになれる県、働く若い人たちがお年寄りを幸せにしてあげることができる、そんな島根県になればいいなぁと本気で思っています」

そうお話しくださった中澤さん。

コーチングができる人がもっと増えてほしいという願いが伝わってくるインタビューでした。

「クライアントさんごとに、クライアントファーストが違うと思います」ともおっしゃってましたが、
ときに優しく、ときに厳しくと、一人一人をよく観て関わっているからこそ、出てくる言葉だと思いました。

これからも、クライアントファーストで、ご縁のある方々に幸せな生き方を届けていってください!

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