【コラム76】どのスタンスからコーチングするか?
コーチングを習い始めた最初の頃は、質問のレパートリーを増やそうとしたり、上手なフィードバックの伝え方を学ぼうとしたりするかもしれません。
つまり、スキルを磨こうとするでしょう。
もちろん、コーチングというコミュニケーションにおいては、質問もフィードバックも必要な手法ですから、スキルを磨くのは意味があります。
けれども、同じように質問のレパートリーを増やし、フィードバックの手法をたくさん学んだとしても、効果的なセッションになる人とそうでない人に分かれるのは、コーチのスタンスが違うからです。
スタンスの違いを一言で表現すると、「Know Nothing State」かどうか、です。
「Know Nothing State」とは、「何も知らないという状態」です。
コーチが「Know Nothing State」、つまり、私は何も知らないという状態でいるとき、本当の意味で先入観なく、クライアントをあるがままで観ることができます。
「相手が必要とする答えは相手の中にある」
コーチングを習ったことがある人で、この言葉を知らない人はいないでしょうが、
この「相手が必要とする答えは相手の中にある」という言葉の通りになるには、コーチが「Know Nothing State」のときだけです。
もし、コーチが「Know Nothing State」でなかったら、意識的か無意識的かは別にして「答えはコーチにあって、クライアントにはない」と思い込んでいます。
とは言え、この「Know Nothing State」になるのは、簡単ではありません。
なので、自分ができてないからといって、落ち込む必要は全くありません。
ただ、この「Know Nothing State」を体現しようと意識し続けること。
私自身も、そうあろうと道半ばです。