【コーチ36】アイデンティティが変わった事例2
前回は、アイデンティティを変えることで、TOPセールスマンへと変貌を遂げた知人の例をお伝えしました。
今回はアイデンティティの変化により、クライアントが一気に増えたプロコーチをご紹介します。
私はプロコーチの方に対して、その人にあったコーチングビジネスのカタチを共に考える、メンターコーチングもしています。
その中で、アイデンティティが変わることで劇的に変化した方がいました。
その方を仮にAさんとしましょう。
Aさんはとても魅力的な方です。しかし、クライアントを増やす活動は非常に活発に行っているのに、今ひとつ成果に結びついていませんでした。
Aさんとコーチングする中で、Aさん自身がハタと気づき、アイデンティティが180度変わった瞬間がありました。
では、一体、アイデンティティがどう変わったのでしょうか?
「コーチの私」 から 「私のコーチング」 へ
これまでAさんは、ご自身のことを「コーチの私」と思っていました。
それがセッションで「私のコーチング」に変わったのです。
語順が少し変わっただけですが、Aさんは劇的に変化しました。
語順を変えただけで・・・
「コーチの私」と聞くと、どんな印象を持ちますか?
円でいうと、コーチの中に私がいるといえないでしょうか?
つまり、コーチのほうが上にあるんですね。
「コーチ」が上司で、「私」が部下と言っていいでしょう。
それを、「私のコーチング」と、言葉の順を変えたらどうなるでしょうか?
私のほうが、コーチングより存在が大きくなったと言えませんか?
上司・部下が逆転したのですね。
私という存在の中に、コーチングがすっぽり入ります。
コーチングは、私の一部にすぎません。
語順を変えただけでも、コーチングという道具に使われていた自分から、私が道具を使うようになったというくらいの変化があります。
「コーチの私」と定義してしまうと、どうしても自分を「コーチ」という枠やイメージにはめようとしてしまい、窮屈になってしまうのですね。
「コーチの私」 から 「私のコーチング」 へ
コーチである私が行うコーチングから、私という存在が行うコーチングへとシフトする。
その結果、コーチという枠に縛られることなく、自分らしくノビノビとコーチングを行うことができるのです。
さて、冒頭でご紹介したコーチのAさんは、「Aのコーチング」へとアイデンティティがシフトした結果、劇的な変化がありました。
元来、人を惹きつける魅力に溢れた方でしたが、Aさんらしさが開花し、その魅力が他の人に伝わっていったのでしょう、クライアントが一気に20名へと増えたのです。
最後に余談ですが、時おり溜息まじりにこう話すコーチがおられます。
「コーチはあまり喋ってはいけないと言われてるのに、ついつい自分が話してしまう」
「パッとアイデアやアドバイスを思い付いて、言葉にしてしまう。コーチらしくないといつも反省してしまって・・・」
一般的なコーチの定義からいうと、コーチは喋らない、アドバイスしないというのはその通りなのですが。
しかし、あまりにコーチの枠に自分をはめ込もうとしてしまうと、本来のその人らしさが損なわれる場合があります。
そのコーチの持ち味が発揮され、そして、それをクライアントさんが求めているのであれば、コーチだから何が何でもコーチングスキル以外使ってはいけないという思い込みを外し、柔軟に関わってもいいのではと思います。