【コラム102】クライアントはそんなに増やすことはできない

「コーチングを学んでいるうちに、コーチを仕事にしていきたいと思うようになった」という方が結構おられます。

コーチングスクールでは、コーチングを座学で学ぶことがカリキュラムのメインです。
ただ、スクールによってはトレーニングの一環で、知り合いなどに声をかけてコーチングの練習を行うところもあります。

実際にコーチングを実践してみると、中々、習ったとおりにはいきませんが。
それでもクライアントさんが変化していく様を目の当たりにすることもあります。

そんな体験を積み重ねることで、「これを仕事にしていけたらなぁ」という思いがだんだんと募っていくのです。

さて、コーチを仕事にしていこうとしたときに、ぶつかることがあります。

「どうやってクライアントさんを増やしていくのか?」

コーチを目指している人と話をすると「どう集客するか」がテーマに出てくることがあります。

最近はSNSが浸透していることもあり、FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなどで集客できればと考える方も大勢います。

もちろん、SNSを上手に活用することで、クライアントさんが増えることもあります。

しかし、多くの人がそのSNSを使ったやり方でクライアントを増やそうとすると、いわゆるマーケティングの世界で言われる「レッドオーシャン(赤い血の海)」でライバルと戦うことになります。

そこで頭角を現すのは、並大抵のことではありません。
人を引きつけるような魅力的な文章であったり、あるいはすでに何らかの実績があったりと、2~3つ位のアドバンテージが無いと難しいでしょう。

では、この「レッドオーシャン」をどう回避していけばいいのでしょうか?
そのために大切な考え方を一つお伝えします。

それは、
「そもそも、クライアントさんを、そんなに増やすことができない」
ということです。

これは一体、どういうことなのか?

一人のコーチが抱えることができる人数には、物理的に限りがあります。
ぜひ、一日、一週間、一カ月に使えるクライアントとのセッション時間を一度、算出してみてください。
実際にコーチとして活動してみると分かりますが、睡眠時間や生活時間、家族との時間などを省くと、それほど多くの時間をセッションに費やすことができないと分かります。

物理的に限りがあるにも関わらず、「お客さんを探さなくては、見つけなくては」と思えば思うほど、心も身体もしんどくなり、活動を続けることが難しくなります。

 

「どうやって集客するか?」と考える前に、

「そもそも、クライアントさんを多くは持つことはできない」
「だから、たくさん人数を集める必要はない。」

ということを、ぜひ頭の片隅に入れておいてください。

このことが分かると、そこまで躍起になって焦ってしまうことなく、 クライアントさんを増やすための活動を無理なく続けることができるでしょう。