【コラム81】セッションに手応えを求めると
「セッションが上手になりたい」
そう思ったことがない人は、おそらくいないでしょう。
だから、私たちはスクールに通ったり、セミナーを受けたり、本を読んだりして、スキルを磨こうとします。
スキルを学び、磨き続けていると、質問が滑らかに口をついて出るようになったり、クライアントがハッとするようなフィードバックができたりします。
そのとき、「自分も上手くなったな〜」と上達を実感するでしょう。
しかし、この「上手くなった」という実感を求めれば求めるほど、今度は逆にセッションが下手になっていくとしたら。。。
ちょっとしたホラーかもしれません(怖)。
ではなぜ、そんなことが起きてしまうのでしょうか?
そもそも「上手くなりたい」という動機はどこからやってくるのか?
結論から言うと、
「自分はセッションがうまくない。下手だ」
そして、
「下手なままではダメだ」
という思いが浮かんできたときに、初めて、
「上手くなりたい」「上手くならないといけない」
という動機が生まれてくるのではないでしょうか。
つまり、
「自分はセッションが下手だ」という思いが強ければ強いほど、
「上手になりたい」という思いも、それに比例して強くなる。
そして、実現するのは、本当に思っていること。
すなわち、
「自分はセッションが下手だ」
ということになるのです。
上手になることを意識しないときに、あなたは上手になっている
では一体、どうしたら上手になれるのか? ちょっと混乱しているかもしれません。
実は、「上手になりたい!」と強く思わなくても、結果として上手になる方法はあります。
その道を、「クライアントファースト」と呼んでいます。
自分のコーチングが上手いとか下手とか意識せず、
ただただ眼の前のクライアントに集中して関わっているとき、
結果的に、あなたは上手なセッションをしています。
そう、「ただただ、眼の前のクライアントに集中する」
この姿勢を続けていくとき、結果として、あなたのコーチングは上手くなっているのです。
こんなことを書くと、「赤木さんは、さぞや上手なコーチングをするのだろう」と思うかもしれません。
いえいえ、決してそんなことはありません(笑)。
さすがに「上手になりたい」という思いは少なくなりましたが、
眼の前のクライアントに集中するというよりも、
「良いセッションができているだろうか?」といった声が頭の中に浮かぶこともあります。
ただ、今はどうすれば結果的にコーチングが上手くなるかという道筋を知っているので、
そこから外れたとしても、また戻ればいいやという気楽な気持ちでいます。
あなたの意識を
「どうすればコーチングが上手くなるか?」
から
「ただただクライアントに集中する」
ことに向けてみて、
どんな違いが起きたかを、ぜひ体験してみてください。