【コーチ44】コーチングの原則は大切だけれども・・・
「相手が必要とする答えは、相手の中にある」
コーチングの基本原則ともいうべき言葉ですが、これを強く信じるがゆえに、
『コーチは答えを与えてはいけないし、アドバイスもしてはいけない』
そう囚われてしまっていたときがありました。
あるとき、コーチと名乗ってコーチングの研修講師をしている人が、研修で受講生にアドバイスしているのを見たときに、
『それでもコーチか!!」
と怒りが収まらなかったことがありました。(もう何年も前のことですが。。。)
今、振り返ってわかるのは、当時の私は
「答えを引き出すこと=善」
「答えを与えること=悪」
という強い価値基準を持って、自分も他人も裁いていたということです。
「相手が必要とする答えは、相手の中にある」
今は、この言葉がそのとおりだということを信じているのではなくて、知っています。
それは、自分の周りに空気があることを、信じるのではなく、事実だと知っているのと同じように。
不思議なことに、「相手が必要とする答えは、相手の中にある」という原則を強く信じていたときよりも、その原則が事実だと知っている今のほうが、質問をしても、フィードバックをしても、アドバイスをしても、つまり、こちらが何をしても、相手が必要とする答えが、相手の中から自然に出てくるようになりました。
自分自身の囚われから解放される分だけ、相手もまた解放されるんですね。