【コラム52】100人コーチングの意義 その1

クライアントを増やしていきたいというコーチに「『100人コーチング』をしてください」と提案することがあります。

その名の通り、100人の人にコーチングを受けてもらう(有料、無料問わず)ということですが、実はこの100人コーチングは、コーチを仕事にしていく上でも、セッションの技術をあげる上でも、非常に効果があります。

今回は、100人コーチングを行う意義について書いてみます。

全部で8つありますが、最初の4つを紹介しましょう。

1.あなたがコーチングをしていることを知ってもらえる

100人にコーチングをする過程で、あなたがコーチだということ、そして、コーチングセッションを提供しているということを、どれくらい多くの人に知ってもらえると思いますか?

100人コーチングだから100人?

いえいえ、100人に声をかけて100人全員が受けるということはまずないので、最低でも100人以上の人が、あなたがコーチングを提供しているコーチだと知ってもらえます。

コーチングセッションを受けてくれるかどうかは相手次第で、こちらでコントロールできません。

しかし、「コーチをしています」「コーチングを受けませんか?」と人に話すことは、あなた次第でいくらでもできます。

以前、あるコンサルタントの方から「知らないものを買うことはできないんですよ」と教えてもらったことがあります。

あなたがコーチだと知ってもらえることで初めて、あなたからコーチングを受ける可能性が生まれます。

2.大勢の人にコーチングについて話をすることで、伝える力が磨かれる

100人にコーチングを受けてもらう過程で、少なくとも100人以上の方にコーチングについて話をすることになります。

最初の頃は、「コーチングというのは、馬車が語源で・・・」といった、本やスクールで教えてもらった紋切り型の説明をするだけかもしれません。

しかし、多くの人に話すうちに、相手の反応を見ながら説明の仕方を変えたり、相手に分かりやすいように例え話を使ったりと、柔軟に説明できるようになってきます。

だんだん慣れてくると、一方的な説明に終わらず、相手からコーチングに対する率直な印象を聞いたり、相手の質問に答える余裕も生まれます。

そうすると、コーチングについてあまりよく知らない人が、どんな疑問や不安を持っているかが分かり、さらにわかりやすく不安を解消するような説明ができるようになります。

このように大勢の人にコーチングについて話すことで、あなたの伝える力が自然と磨かれていきます。

3.あなたのことを応援してくれる人が現れる

100人コーチングをすると思うと、「全員、自分一人で集めないといけない」と思うかもしれません。

もちろん最初の第一歩は、自らが声をかけるところからスタートしますが、そのうちにあなたがコーチングしていることを紹介してくれる人が現れてきます。

それは、実際にあなたからコーチングを受けた人かもしれませんし、コーチングを受けていなかったとしても、あなたの取り組む姿に感動した人かもしれません。

あなたが一生懸命に、本気で、楽しく取り組んでいると、こうした方々が現れて、あなたの応援者になってくれます。

このとき大切なのは、応援を受け取るということです。

人によっては、「私はまだまだ駆け出しでスキルもないのに応援してもらうなんて・・・」と自分のことを卑下して、応援を受け取らないことがあります。

確かにコーチングの技術や経験という点では、まだまだ未熟かもしれません。

しかし、応援する人は、そんなことは百も承知の上で、あなたのことを応援するのです。

なぜでしょう?

自分が受けて良かったからこそ、ぜひ人にもコーチングを体験して欲しい!

コーチングで自らの可能性に気づいて欲しい!

人がイキイキと輝いて生きることに貢献したい!

そんな熱い想いを持ったあなたの姿に、人は元気や勇気、そして熱意をもらうのです。

もし、あなたの目の前に、そんな人が現れたとしたら、惹きつけられたり、応援したくなりませんか?

応援者は見返りがあるから応援するのではありません。

応援することそのものが喜びなんです。

4.コーチングスキルが磨かれる

年齢、性別、職業、役職、立場が異なる様々な人たちを100人コーチングしたら、コーチングスキルが磨かれないほうがおかしいです(笑)。

コーチングセミナーやスクールで習った通りにクライアントとセッションができることは、実際にはほとんどありません。

目の前のクライアントの状態によって、どのスキルを使うかをその時その場で判断していく柔軟性が求められます。

自動車教習所で一通り運転技術を習って免許を取っても、車を運転しなかったらペーパードライバーになってしまうように、コーチングも実際に使わないとペーパーコーチで終わってしまいます。

100人とコーチングをするというのは、色んな道を実際に運転するようなものです。

色んな人をコーチングすることで、目の前のクライアントさんに合わせてセッションを作り出す応用力や柔軟性が自然と養われます。つまり、あなたのスキルが磨かれていきます。

 

次回は、100人コーチングの意義を残り4つ、紹介していきます。