【SOMA9】ギルド型アプローチ
このコラムでは、6つのオフラインマーケティングアプローチ(SOMA)について解説します。
1)トップセールス型
2)講師型
3)コミュニティ型
4)コラボレーション型
5)キーパーソン型
6)ギルド型
第9回目は、6)ギルド型アプローチです。
ギルドという言葉は耳慣れないかもしれませんね。
ギルドとは、中世ヨーロッパの商工業者の間で結成された職業別組合のことを指します。
当時、ギルド(組合)に所属していた職人さん(主に親方)たちは、自分の技術を弟子に継承させる徒弟制度を取っていました。
ギルド型アプローチとは、この職人さんたちの徒弟制度をヒントにしたもので、「コーチの先輩、師匠について見習う」というものです。
実際に私自身の実例を通してお伝えすると、
- 独立当初、先輩コーチからクライアントとしてコーチングを受ける中で、どのようにしてコーチングを仕事にしてきたかという話を直接聞くことができた。また、セッションで使う資料も惜しみなく使わせてもらえた。
- コーチの先輩や同期の仲間たちと一緒に、コーチングの会社を設立。その中で、先輩コーチが行っているコーチング研修のアシスタントに入り、研修のやり方を学んだ後、自分も研修講師としてデビューした。
- 先輩コーチが行っている研修のアシスタントに入ったとき、参加者から「コーチングを受けたい」という依頼があった
というような事例があります。
税理士や弁護士などの士業では、資格を取って直ぐに開業するのではなく、まずはどこかの事務所に所属して、そこで経験を積んだのち、暖簾分けしてもらったり、独立して自分の事務所を開いたりするという道があります。
これは何も士業だけでなく、商売人や職人の世界でも昔から丁稚奉公など、師匠や先輩の下で体験を通して実際の業務や作業を体得する仕組みがありました。
ギルド型アプローチは、こういった仕組みと似ています。
すでに独立して活動している先輩コーチについて、コーチング研修のアシスタントに入らせてもらうことで、研修のノウハウを学んだり、受講生をコーチングさせてもらうことで、コーチングの経験も積むことができたりします。
では、先輩コーチのもとで学んだり、コーチングの経験を積ませてもらう、このギルド型アプローチを実践するために大切なことは何でしょうか?
この問いに答えるには、あなたが何年も経験を積んで、コーチの先輩や師匠的な立場になったと想像してみてください。
誰かに研修のアシスタントをお願いしないといけないとしたら、あるいは誰かにコーチングセッションを依頼しないといけないとしたら、あなたならどんなコーチにお願いしたいでしょうか?
イメージが付きにくければ、頼もうと思う後輩コーチやコーチ仲間について、彼らのどんなことを知っていれば安心して依頼できるかを考えてみて下さい。
例えば、私なら、
- 実際のセッションの様子を見聞きして、どんなコーチングするのかを知っている
- コーチングの経歴(回数や人数、対象者)
- コーチングで何を大切にしているのかという価値観
- コーチング以外のこれまでの経歴
- どんな人をコーチングしてきたか
- どんな人をコーチングするのが好きか、または得意か
といったところでしょうか。
こういったことが分かっていると、私なら研修のアシスタントにせよ、コーチングセッションにせよ、お願いしやすくなります。
つまり、このギルド型アプローチを実践するために、まずあなたのことをコーチの先輩や仲間に知ってもらうことが大切になります。
そのために、
- コーチの先輩方が集まっている場に積極的に参加する
- ボランティアとして研修のアシスタントに入りたいことを先輩コーチに伝える
- この人から学びたい、こんなコーチになりたいと思ったコーチからメンターコーチングを受ける
といったことをやってみるのも良いでしょう。
9回にわたって、6つのオフラインマーケティングアプローチ(SOMA)についてお伝えしてきました。
インターネットが世に出てから、ブログが生まれ、SNSが台頭し、YouTubeで発信と、自分のことを知ってもらう媒体は、これからもどんどん新しいものが生まれてくることでしょう。
しかしながら、媒体がどれだけ変わろうとも、変わらないのは、人と人とのつながりです。
あなたのことを知ってもらい、関係を深め、信頼してもらい、仕事の依頼を受ける。
この記事が、あなたのことを必要とする人、あなたのことを求めている人との出会いに繋がれば幸いです。
9回にわたってお付き合いくださり、ありがとうございました。