【コーチ29】独立事業主としてのプロコーチの特質 その1

 

サラリーマンからプロコーチとして独立する場合、初めて独立事業主(自営業)になるケースが多々あります。

 

周りに自営業の方がおられると少しは心構えもできていますが、予備知識無しで独立し、「こんなはずではなかった・・」と戸惑う方もおられます。

今回と次回に分けて、独立事業主という側面でのプロコーチ業についてお話したいと思います。

 

プロコーチという職業を収入という観点で考えてみると、その特質は2つあります

  • 労働集約型産業であること
  • Sクワドラントであること

 

2つとも聞きなれない言葉かもしれませんね。

今回は1つめのテーマ、労働集約型産業であることについてお話します。
(労働集約型産業とは何か?についてはこちらをご覧ください)

 

パーソナルコーチは、労働集約型産業であること

コーチングに限らず、独立事業主の仕事の多くは、給与と違って、働けば働くほど収入が増える図式になります。

つまり実働時間が収入と直結する訳ですが、別の言い方をすると、時間の切り売りとも言えるでしょう。

 

収入の方程式もシンプルです。

 

 
コーチングの月収=1回当たりの平均セッション代(単価) × 1ヶ月のセッション回数(人数×頻度)

 

これで算出できます。

 

例えば、コーチング代が月2万円、クライアントの人数が10人だとしましょう。

仮にセッションの頻度が月に2回だとすると1回当たりのセッション代が1万円となります。

1回のセッション時間を1時間とすると、1ヶ月の収入は、

月収= 1万円 × 20回(クライアント数10名×2回/月)

セッションに使う時間は20時間で、月収は20万円となりますね。

 

コーチングの収入を増やしたい場合、どうすればいいでしょうか?

シンプルに言うと、こういう答えになります。

 

 
1.セッション1回当たりの単価をあげる(例 1万円→1万5千円)

2.クライアント数を増やす(例 10人→20人)

3.1ヶ月のセッション頻度を増やす(例 月2回→月3回)

 

仮に上の例にあげたとおりになると、

1万5千円×20人×月3回=90万円 となります。

もちろん、実際にはこんなふうに単純に増えることはなく、単価を上げるとクライアント数が減ったりするので、単価をあげても頻度を減らすことで1ヶ月のコーチング代を抑えたり、あるいは、継続クライアントの代金は据え置きで、新規クライアントは新しい料金体系に変えるといったように、それぞれの項目をどうするか考えながら決めていくことになります。

 

パーソナルコーチングは、自分が働く時間数によって収入が変動する仕組み、つまり労働集約型です。

確かに多くのクライアントがいれば、コーチングのセッション時間も増え、それに比例して収入も増えるでしょう。

 

独立事業主1-2

しかし、闇雲に収入が増えれば増えるほどいいのかというと、一概にそうとも言えません。

家族との時間、学びの時間、趣味の時間・・・といった自分の自由時間を増やしたいと思って独立したにも関わらず、売上をあげようと頑張った結果、勤めていたときよりも時間が取れなくなった。そんなジレンマに陥る話はよく聞きます。

 

また心身が健やかであることは、私たちが提供するコーチングセッションの質を保つためには欠かせません。なので、寝る間も惜しんでセッションに励むのも考えものでしょう。

巷では「ワーク・ライフ・バランス」が盛んに言われてますが、独立事業主は、日々の労働時間(どれだけ働くのか)とそれ以外の時間、そして収入との兼ね合い、そのバランスをいかに取るかということは永遠のテーマでしょう。

 

次回は、もう一つの特質、「Sクワドラント」からみた、プロコーチ業についてお話します。