【コラム94】「中々、思うように成果が出ないんです……」と言われたら

「中々、思うように成果が出ないんです……」

クライアントさんに、そう言われて、ドキッとしたことはないですか?

 

メンターコーチングで、コーチの方をコーチングしていると、

「クライアントさんが早く成果を手にするために、どう関わればいいか?」

ということを質問されることがあります。

 

質問の背景を聴くと、

そのコーチのクライアントさんから

「中々、思うように成果が出ないんです……」

と言われたことがきっかけだったりします。

 

確かに、

「中々、思うように成果が出ないんです。どうしたら、いいですか?」

と、相談されると、コーチも少し焦るかもしれません。

 

ですが、このとき、クライアントさんに何が起きているのかを知ると、

さほど心配しなくてもいいことが分かります。

安心して、セッションに向かうことができるでしょう。

 

では、この質問が出るとき、クライアントさんに一体何が起きているのでしょうか?

 

起きていること その1:クライアントは目標や願望に向かって行動している

 

まずは、あなたがかつて、

「中々、思うように成果が出ない……」

という焦りが出たときのことを思い出してみてください。

 

その焦りの気持ちを感じたときというのは、

達成したい目標や実現したい願望に向かって、

行動していたときでしょうか? 

それとも、行動していなかったときでしょうか?

 

もし、達成したい目標や実現したい願望があったとしても、

それに向かって行動していなかったとしたら、

「中々、思うように成果が出ない、進まない」

という焦りではなく、

「私に本当にできるだろうか……」

という不安や心配を感じたことでしょう。

 

つまり、焦りの気持ちが出る時点で、

クライアントさんは、目標や願望に向かって行動していることになります。

 

起きていること その2:クライアントは課題に立ち向かい、乗り越えようと挑戦している

 

目標や願望に向けて、順調に進んでいたとしたら、

当然、焦りの気持ちは生じないでしょう。

 

「一日に10ページずつ資格試験のテキストをこなしたい」「毎月、〇〇万円の売上を達成したい」

 

そんな理想とする計画やゴールを、

意識的か無意識的かは別にしてクライアントさんは持っています。

 

ところが実際に取り組んでみると、

中々思うような成果が出ない、思うように進まない……

 

このとき、「もう、いいや」と

当初の目標や願望を諦めることもできるわけです。

 

しかし、クライアントさんは諦めるのではなく、

なんとかして、どうにかして、そこに到達するために

目の前の課題に立ち向かい、乗り越えようと挑戦しているのです。

 

 

起きていること その3:クライアントはできていないことに焦点を当て過ぎている

 

このように、クライアントさんは、

目標や願望に向かって行動し、

目の前の課題に立ち向かい、乗り越えようと挑戦しているのですが、

実は、あまりそれらのことに気づいていません。

 

それだけでなく、

達成したことや実現したこと、

乗り越えてきた課題といったものにも気づかずにいることが多々あります。

 

例えるなら、エベレスト登頂を目指し、すでに6000メートル以上登っているのに、

まだまだ3000メートル近く残っている…… 

と、焦りの気持ちが出てきているようなものです。

 

もちろん何が何でも最初に立てた目標に固執する必要はなく、

ときには、目標そのものを見直すことも大切です。

 

ですが、もし、クライアントさんが

できていないことばかりに焦点を当てていたとしたら、

目標や願望に向かう道のりで、

行動したこと、達成したこと、実現したこと、乗り越えたことに

目を向けるように問いかけてみるのもいいでしょう。

 

そう、まだ登っていない3000メートルばかり見るのではなく、

ちょっと振り返って、登ってきた6000メートルを見るように。

 

 

「中々、思うように成果が出ないんです……」

 

今度はそう言われたとしても、

クライアントさんに何が起きているのかを知っていれば、

コーチも焦らずにドンと構えてセッションに臨むことができます。

 

そんなコーチからコーチングを受けると、

クライアントさんも徐々に落ち着き、

今できることを着実に一つ一つ、積み重ねていくことができるでしょう。