今どきの小学生事情

「小学生は、のびのび遊ぶのが一番!」
つい先日も、そんな論調で中学受験を暗に批判する記事をみました。

何かとやり玉に揚げられるのが、中学受験。
小学生に受験勉強させることへの批判は今だ、かなり根強いです。

まぁ、それはともかく。中学受験なんかさせずに、子供らしくノビノビ遊ばせるのが望ましい!という論調には、ホトホト辟易しています。

この「ノビノビ至上主義」というか、「遊びがサイコー!」という人たち、今の小学生を取り巻く環境をどこまで知っているのでしょうか・・・

今どきの小学生は忙しいですっ!!

中学受験をしない子も5年生になると、週に2日程度は補習塾に通っています。それ以外にバレエや英語、水泳、体操、ピアノ、ダンス、プログラミング・・・と、みんな放課後は、習い事で忙しいのです。

週に6日は習い事で埋まっている友達も何人かいました。その子たちが放課後に遊べる日は、週に1日しかないという有様。

なぜ複数の習い事をさせているのか、その理由はご家庭によって様々です。
子供の可能性をたくさん引き出したいご意向もあれば、お仕事がお忙しくて、学童代わりにという場合もあるようです。

忙しそうではありますが、周りの子たちも複数の習い事を掛け持ちしていることもあり、子どもたち自身、不満がたまっている様子ではないようです。

あと「遊びが大事!」と主張する方がイメージする「遊び」とは、公園で駆け回るというのではないでしょうか。

今どきの子どもたちは、公園に行っても、ジャングルジムに登っている訳ではありません。
ジャングルジムやブランコは小さな子どもたちも利用します。
大きな子たちが力任せに遊んでいると、幼児の保護者たちが心配そうに見てるのですね。
それでは、大きな子たちも遊びづらいようです。

では、ボール遊びはどうか・・・今は多くの公園で「禁止」の張り紙があります。
公園で集まったは集まっても、自由に駆け回る状況にはありません。
男の子たちが公園ではしゃいでいたところ、近所の方から苦情がきたという話も聞いたことがあります。

では、何をするかというと・・・まぁ、わりと静かに遊べる「ゲーム」となるようです。
女の子たちは、誰かの自宅でゲームしたりお菓子を食べるのが主流のようですが。

中学受験批判への当て馬として、とかく「遊び」が引っ張り出されるのですが。
その方々が、現代の主な「遊び」である「ゲーム」を通しての社会性などを訴えるのなら、まだ説得力があります。

特に都会部の、自由に走り回れる環境にない小学生たちに向けて、「遊ばないと!」と訴えられても、現実との乖離に閉口せざるえません。

私は中学受験に賛成でも反対でもなく、ご家庭の意向で決めたらと思います。

しかし、その批判のカードとして「遊び」の重要性を語るのなら、その環境を奪っているのは、突き詰めれば「大人たち」である事実に直視せざるえないでしょう。