実家のお片付け・・その暗闇の向こうには

最近、私の自宅の近くに実母を呼び寄せました。
今までは2時間近くかけて実家に通っていましたが、10分以内で母の元に駆けつけることができます。

私が実家と呼んでた場所には、母は結婚して以来、60年近く住んでいました。
後期高齢者と呼ばれる年齢となってから、母は住み慣れた土地から離れて、新天地の生活が始まったのです。

この先、私もそこに住むつもりはありません。
母も引っ越し先で大半の家電や家具を買い直すことにしたので、引っ越しと同時に、いわゆる「実家のお片付け」に取り掛かったのです。

うーーーーーん。それは「禁断のとびら」を開けるようなもの。

母も身体の不調が続いてからはとくに、押し入れの奥まで掃除する余裕はなかったでしょう。
なんせ、押し入れの上にちょこんと位置してる天袋なんて、長年開けた形跡はありません。

暗闇の向こうには何があるのか、何が潜んでいるのかが・・・

このまま家財道具を放置していても傷む一方なので、はやく片付けたい。
でも、その過程で、おぞましいものを目にしたくない・・・

複雑な気持ちがうごめきます。

しかし、お片付けを依頼した以上、四の五の言ってられません。
家の隅々まであるものに目を配り、色々と指示を出さなければいけないのです。

で、やはり覚悟はしてましたが、やはり出没しましたね。
黒い死骸、その足跡・・・卵の抜け殻など・・・
ぎゃあああと言いたい気持ちを抑えて、ほうきで掃きます。

押入れケースの裏側には、歴史を重ねたホコリの塊が・・・。
持ってきた雑巾が瞬く間に黒ずんでいきます。しかも、アレルギー気味の目は涙でにじみます。

あとは思い出の品々を発掘!

「こんなん、まだ置いてたの!?」
私が小さい頃に書いた絵や、昔の成績表などはちょっと想定していましたが。
私が捨てておいて~と頼んだはずの独身時代の服、あまり使わなかったスキーブーツ。

ここで、10代から20代過ごしたんだ!という懐かしの品々が、押入れという時空から現れたかのよう。

年賀状印刷に使っていた、プリントゴッコまでも!!
かなり前に販売中止となったはず。今でも使えるのでしょうか・・・びっくり。

お片付け作業が終盤を迎えようとした頃、昔のアルバムも出てきました!
残しておきたい写真を選ぶ暇はもうありません。忘却のかなたに消えていきました。

60年近い年月のあいだに、所狭しとモノが詰めっぱなしになってたのですね。

なんだかんだと片付けも終わり、実家はもぬけの殻となりました。
結婚以来、お部屋探しのたびに、むきだしの部屋をみてきた私ですが。
生家に関しては生まれて初めてで、何ともいえない感じです。

ただ、何が入っているか分からない押入れというのは、おどろおどろしいものがありました。

この体験を経て、決意を新たに。
モノは溜め込まない、開かずの間を作らない・・・ですね。