おばさんになって20年

そう、あれは20年前。

当時は「30代・独身は負け犬」と吠えた、「負け犬の遠吠え」が大ベストセラーとなった頃。
初婚平均年齢もどんどん高くなり、35歳までが結婚適齢と言われるラインかな~とされる今とでは、年齢観がやや異なりますが。

30代を突入した当時、自ら「お姉さん」と言うのも、そう呼ばれるのもスッと受け取れない、引っ掛かりのようなのを感じ始めました。

さりとて、他に言いようがないので、自ら名乗り始めたのです。

「おばさんだよ~。」

そう、初めての甥が生まれて、20年を迎えようとしています。

この「おばさん」と言う言葉。
英語でいうと「Aunt」で、伯母さん・伯母さんを指しますが。
メンドーなのは、日本語で「中年女性」を嘲笑的に言いあらわすのと同じだということです。

当時30代ちょっとの私に気遣い、すやすや寝息を立てる甥っ子に向かって、義妹は「お姉さんが来てくれたよ~」と声掛けてましたが。

いやいや、時計の針は戻ることなく、今後ますます「お姉さん」のカテゴリーからは離れていく訳ですから。

自らが言わなければ、義妹から属性変更することは難しい。
最初が肝心。にっこりと「おばさんだよ~」と言い直しました。

本来なら、「おばさん」でいいんですよ。伯母さん・伯母さんなのですから。

しかし、年齢も揶揄する表現とも同音異義語なのがややこしい。
そのおばさんという響きが、英語でいう「レディ」「ミセス」と似たようなニュアンスなら、こんな問題も出てこない訳です。

そんなこんなで、おばさん歴20年。
私が幼い頃の「40代」というと、ボンクレパーマな女性というイメージがありますが。
今は当然そんな人はおらず、全世代の女性が、全体的にかなり若々しく見えます。

それでも「中年女性」をあらわす、粋な名称はいまだに出てきません。
相変わらず、「おばさん」という表現がまかり通ってます。(それしか言いようがないとも)

親戚をあらわす名称と区別するためにも、別の呼び方が出てくるといいのですが。