筋トレはセラピー

今でこそ週に2~3回はジムで汗を流す私ですが、1年前まではれっきとした「運動不足」の中年でした。

普段から、こまめに歩くように心がけていた程度で、定期的に運動する習慣はありません。
階段を昇るのも息切れするわ、走ろうとしてもふくらはぎが重くてヨタヨタになるわで、如実に老化を感じていたのです。

このまま手をこまねいていても、身体の衰えは止まりそうもない・・・

重い腰を上げ、一念発起し、スポーツジムに通う決意をしました。

これまでに何度かジム通いの経験はあり、自己流でマシンを使ってました。
今回はちゃんと効果を出したいので、最初からパーソナルトレーナーを依頼することにしたのです。

マシンの使い方、腹筋のやり方など、プロの指導は的確です。
それまでいかに何の効果もないやり方をしていたのかと知り、愕然としました。

ただ、自分に甘いやり方をテキトーにしていた身にとって、プロが指示するやり方は決してラクではありません。

パーソナルトレーニングの時間は、控えめに言っても「苦痛」でした。

マシンを動かすのもしんどくて、ちゃっちゃと終わらせようとする私。
にこやかに、ゆっくり丁寧にマシンを動かすようにと指導してくれます。

こうなると、苦痛をお金で買っているものですね。
しかし自分ひとりで筋トレを続けても、絶対に厳しいことはしないでしょう。
やってる感さえあれば、自己満足できたかもしれません。

ただ、私がジムに通う目的としては、ちゃんと筋肉をつけたかったのです。
そのためには、正しいやり方でやるしかありません。

そう自分に言い聞かせて、なかなか上がらないバーを、頑張って上げ続けました。


「筋肉は裏切らない」

どこかで聞いたセリフですが。

トレーナーさんが言う通りに続けていくと、徐々にですが、マシンの上げ下ろしが前ほど辛くなくなってきました。
腹筋を鍛えようにも上半身を起こせなかったのですが、少しずつ持ち上がるようになってきたのです。

本当に少しずつ少しずつですが、できるようになるのを実感できました。
正しいやり方で、正しい速度で動かすと、筋肉はちゃんと応えてくれたのです。

生きていくなかで、さまざまなノウハウやテクニックに出会います。
特に人間関係に関することは、どれだけコミュニケーション手法を学んでも、目の前の相手に通用するとは限りません。いや、大半は思い通りにならないでしょう。

「正しいやり方」が鉄則ではありますが、時間と労力をかければ、それ相応の成果で応えてくれようとするー
筋肉のかしこさに、私は癒やしすら感じたのです。