【中学受験】塾の費用に含まれるもの一式

中学受験家庭と切っても切れないのが、進学塾。

中卒のお父さんが娘とともに挑んだ「下剋上受験」を読んだ影響もあり、我が家が中学受験を決めた直後は、親塾を目指しました。もし通塾したとしても、季節講習程度でと目論んでいたのですが・・・。
それはとんでもなく困難な道のりだと、気づくのに時間はかかりませんでした。

受験はする!と気炎を上げたものの、実際の行動が伴わない娘
その姿にイライラし、つい注意してしまう親
険悪な雰囲気
そもそも、何をどう勉強すれば、中学受験合格にたどり着くのか・・・親子揃って分からない。

迷宮にハマり混み、にっちもさっちもいかなくなりました。

「すいません・・・中学受験、ナメてました」
「家庭だけではムリだ。塾のお世話になろう」
割りとすぐに、方向転換を図ったのです。

さっさと白旗を上げ、塾に通い始めました。肩の荷が少し軽くなったのを感じたのです。

「あああ、ラク~。やっぱり、餅は餅屋だ!」

もちろん、塾への送り迎えや塾弁などで、新たにルーチンが増えました。
しかも、財布は軽くなるばかり~。

それでも、塾に通うようになってからは、精神的負担が減りました。
親塾を目指したころは、素人の私が手探りで進めようとしていましたが。
中学受験でどういう勉強が必要か、その道のりは塾がレールを引いてくれます。
親とは違う第三者からの意見は、子供もふんふんと耳を傾けてくれるのです!

「親では中学受験の勉強が教えられないから。」
塾が必要な理由は、こればかりではありません。

塾の費用には、それ以外の要素もさまざま入っています。
とかく高いと言われがちな塾の費用ですが。
この塾代に、一体何が含まれているのか・・・思いつく範囲で考えてみました。

  1. 受験合格に向けての受験勉強の指導
    中学受験で出題される分野の多くは、小学校では習わない高度なものです。
    当然、それに熟知したプロから勉強を教わるための費用が入っています。
    授業料、テキスト代、季節講習費など。
    そして、塾内模試を実施する大手塾の場合は、模試代は別途請求されます。
    塾で勉強するあらゆるものが、指導料として含まれると考えていいのではないでしょうか。

  2. 受験に関する情報
    今はインターネットである程度の情報はつかめます。
    しかし、本当に表に出てこない情報や、プロの目からみた入試問題の特徴は、長年現場の経験を積んだ塾の先生に聞くほうが確かなものが得られます。
    中学受験全体の傾向、志望校の評判、どういうタイプの子が進学するか、など。
    塾の先生方がすべて分かるわけではないですが、ネットを駆使するよりも確実です。

  3. 進学相談
    時折、担当の先生との面談を行います。
    6年の前半まではたまに程度でしたが、6年の後半は保護者である私自らが申し出て、何度も面談をお願いしました。
    志望校に合格するのに強化すべきこと、併願校の選び方、すべてが残念だったときにどう対応したらいいのかなどのアドバイスをいただきました。
    先生の目からみた子供のこと、多くの受験生を見てきた立場から、相対的にみてわが子はどういうタイプなのか、など
    親の目では分からない、子供の一面を伺いしることができます。
    「自分の子供」の現在地を教えてくれるのは、非常に助かりました。
    私自身は、これが塾に通わせる一番の醍醐味ではないかと思うほどです。
  4. 受験に向かう環境(ムード)づくり
    我が家の地域のよう、中学受験率が低い地域では、学校では「受験のじの字」もありません。
    家と学校だけでは、受験のモードに入りにくいのです。
    塾に行くと、周りがみんな勉強しています。
    人間は環境に影響される生物です。勉強することが当たり前の環境に身を置くことで、意識が変わるのです。
    塾の友達とは普通の会話で盛り上がりますが、時折は受験の話題もするといいます。
    こうして、だんだん受験生たるものになっていくのです。

今思い返しても、塾を通してたくさんの思い出が蘇ります。

  • 塾の先生方と話すことによって、張り詰めた気持ちがラクになったり、
  • 時折は分からない箇所も、授業のあとに質問に行ったり
  • 模試やテストの結果が良ければ、一緒に喜んで下さったり、
  • 逆に結果が悪かったときは、対策法を考えて下さったり

私にとっては、塾代というパッケージの中に、これだけのコンテンツが詰まっていました。
これを塾に頼らず、全部自前で用意するのは、どれだけ親の負担が大きいでしょうか。

親が塾や家庭教師の経験があれば、勉強自体は教えられるかもしれません。
しかし、受験のムードといった無形のものや、切磋琢磨する仲間といったものは、家庭だけで用意することはできないのです。

進学塾に通うということは、受験に必要なシステム一式に投資するようなものでした。
家族一丸で挑み、塾の先生方のバックアップを受けながら、最後まで走り抜けました。

実際に、子供が進学してから周りに聞いてみたそうです。
塾なしの子もいるのはいるらしいですが、大半の子が塾通いをしていたようでした。
うちの子自身も、勉強は大変だったけど、今となっては「塾なしで合格」は考えられないと言っています。