コーチングの背景となる考え方
The idea behind coachingコーチングを通して成果を得るために、背景となる考え方がいくつかあります。
- なぜ、クライアント自らが出した答えを尊重するのか?
- なぜ、クライアントにもコーチングへの主体的な関わりを求めるのか?
- なぜ、コーチングでは行動を重視するのか?
背景を知ることで、コーチングで行われることの意義が深まります。ぜひお読みください。
コーチングの背景となる 3つの考え方
その人が必要とする答えは、全てその人の中にある
コーチングにおいて最も基本的な考え方は、次の通りです。 「その人が必要とする答えは、全てその人の中にある」 「人はもともと完全な存在であり、自ら答えを見つける力を持っている」
コーチはあなたにこの考え方を前提として関わっていきます。 「答えは自分の中にある」「自分は自ら答えを見つける力を持っている」 そのことにより、背景となる考え方があなた自身の中にも育まれていきます。
ただ、これまでの私たちの世界では、外側に答えがあることが当たり前だと思われているので、最初は理解、納得しづらいかもしれません。しかし、答えは自分の外側にあるという思いが強ければ強いほど、いつまでも答えを他人に求めざるえなくなります。

コーチがクライアントに与えることができるのは答えではなく、問いです。
- 自分が本当は何を望んでいるのか?
- 何を大切にしながら生きていくのか?
- 何が自分のヤル気を引き出し、何がヤル気を無くさせるのか?
- どんな人生を生き、何を実現したいと思っているのか?
- また何を恐れ、どこで自分を抑えてしまっているのか?
コーチが投げかける問いによって、クライアントが自らの内側を探りさえすれば、実は自分が思っている以上に自分の中に答えがあることに気づくでしょう。
気づきが深まると、意欲も高まり、行動も自発的になります。その結果、今まで以上に「自信」、つまり、自分に対する信頼感を持てるようになるのです。
意図的な協力関係(パートナーシップ)を築く
コーチングにおいて、よい結果が得られるかどうかは、コーチ一人によるものではありません。コーチとクライアント二人の関係にかかっています。
コーチとクライアントは、互いに協力し、クライアントが求めるものを手に入れるための協力関係を築きます。したがって、どのようにコーチングして欲しいかをあらかじめ、クライアントがコーチに伝えておくことはとても重要になるのです。
例えば、
- どんなふうに自分のことを呼んでほしいのか
- どのような言い方をされると意欲が湧くか、逆に失うか
- どんどん行動を促してほしいのか まずは頭の整理をしたいのか
コーチにどんどん、リクエストしてもらいたいのです。
ただし、コーチングを受け始めた頃は、そもそも、どのようにリクエストすればいいか分からないでしょう。コーチングセッションの回数を重ねると、次第に、コーチにどう関わってもらえたらいいのか、リクエストが自然と出てきます。

そのためにも、コーチはクライアントに対して、安心して何でも話せる場を作り出します。そして、クライアントを一人の人間として尊重しつつ、クライアントの希望を真摯に伺います。
ですのでクライアントは、コーチが何かをしてくれることをただ受身的に待つだけではなく、自ら積極的に関わって、共に良いコーチングセッションを創っていく、その姿勢(コミットメント)や正直さが求められます。
積極的に協力関係を築いていくことで、コーチ・クライアント双方が当初思い描いていた以上の成果が出ることはよくあります。
行動と学習は車の両輪
クライアントがコーチングを受けた結果、生み出されるのは行動と学習です。この2つの力が合わさって、はじめてあなたの人生に変化が起きます。
コーチングの大きな目的は、次の2つです。
- あなたの「行動を進める」こと
- あなたの「学習を深める」こと
コーチングがカウンセリングなど他のよく似た手法と異なるのは、クライアントの「行動」を重要視する点です。
人がコーチングを求めるのは、多くの場合、現状を変えたいと願うからです。
そのために行動を変えること、新しい行動を起こすことが大事です。
しかし頭ではわかっていますが、それでも行動が起こせないときもあります。

そんな時、コーチというパートナーを得ることで、自分の望む状態に向かって着実に行動を起こすことができるのです
しかし、とにかく行動を起こして前に進んでいればいいかというと必ずしもそうではありません。行動を起こした結果、そこから何を学んだのかという「学習」という要素もコーチングには欠かせません。行動と学習は、相互補完的な関係にあり、いわば車の両輪のようなものです。
どのような行動を起こしても、それを振り返ることによって次の行動のために役に立つ情報を得ることができます。
- うまくいったことは何か?
- うまくいかなかったことは何か?
- 次にやるときはどこをどう変えるのか?
問い掛けることで改善点が見つかり、繰り返すことで、行動の「質」が高まります。
ちなみに、行動を起こさなかった場合でも同じことが言えます。例えば、「何が障害だったのか?」「その障害を取り除くにはどうすればいいのか?」などと問い掛けることで、そこからも学びを深めることができるのです。