クライアントインタビュー

Client Interview

クライアントインタビューVol.23 ~ H.Tさん

2009年より、IT企業の代表取締役に就任。スタッフの人材育成を機にコーチングや心理学を学び始める。

現在は「傾聴」の寄り添いを大切にしながら、「一人ではないんだよ」ということや、一人一人のすばらしさをみんなに普及できるよう日々精進中。

クライアントインタビュー

クライアント: H.Tさん

インタビューアー: 赤木広紀

自分のためにっていうのは、何もないんです。

早速ですが、コーチングと出会ったきっかけを教えていただけますか?

事の発端というのは今から10年近く前。僕が経営している会社で働く社員の一人が大病に侵され、入院したことでした。 毎日、見舞いには行ったものの、彼にかける言葉がなくて、何をどのように話していいのかが本当にわからなくて ・・・。 その体験がきっかけで、コミュニケーションの勉強に興味を持ち始めたのです。

そこで、コーチングのことを知ったのですか?

NLP(神経言語プログラミング)についての本を手に取ったりしたなかで、コーチングについて知りました。 そこでコーチングやNLPのセミナーを受講し始めました。2015年頃ですね。

私とはじめて出会った頃ではないでしょうか?

そうですね。NLPセミナーの場で出会って、帰りが一緒になったとき、赤木さんに色々とNLPについて質問していましたよね。

その頃から問題意識も高く、探究心と好奇心・・・ そういうのが溢れ出しているような感じでしたよ。

多分、僕の動機付けっていうのはいたってシンプルで、自分のためにっていうのは何もないんですよ。目の前の人のために本当に学ぼうとしただけです。大病を患った社員のために、言葉をかけたいけれども、どうかけたらいいのかわからない、というところから、その「言葉」というものを学ぼうということにつながったんです。

誰かのため、という動機が、ご自身を動かす強いモチベーションだったんですね。

ええ。

赤木さんは、好奇心を刺激してくれる感じです。

ところで、私からコーチングを受けようとしたきっかけは何でしたか?

僕が疑問に思っていることを、赤木さんは答えてくれるというか、ヒントを与えるようでもあるし、僕のわからないことを知ってそうと思ったのです。

なるほど。

僕が分からない点というのを、そこまで教えてくれるの?というレベルまで話してくれるし。これ聞いちゃあかんのかな?とか バカなことを言ってるのかな?と思いながらもでも、口から出たことや感じたことをそのまま赤木さんに聞いています。 何でしょうね、好奇心を刺激してくれる感じなんですよね。対話しながら、一緒に何か考えている、そんな時間です。

そうなんですよね。毎回とまでいかなくても、常に一緒に考えている感じがしています。

対話しながら答えを見つけている、そんな感じですかね。 僕に寄り添ってくれながら、ちょっとした悩みを片づけてくれる感覚があります。

人間の頭や心を理解している人のほうが、経営者の手助けはできる

ちなみに私(赤木)のコーチングに向いている人はどういう人だと思いますか?

なかなか抜け出せなかったり、突破できなかったりする何かっていうのは、その答えが見つかるまで、同じテーマが何度も何度も繰り返されます。 コーチがいることで、その問題を突き詰められるし、自分を良い方向に客観視できますね。経営者とか、独立して事業をしている人に、赤木さんのコーチングは向いているんだろうなって思いますよ。

経営者や独立事業主に向いているということですが、もう少し具体的に教えてもらってもいいですか?

会社を経営していると、自分の思うままに物事って進まないのが現実ですよね。 社長一人で片付けられない問題って、やはりどうしても出てくるんですよ。でもそういう問題というのは、その業務の知識を持ってないとサポートできないのかって言ったら、そうではないんです。

業務の知識を持っていなくてもサポートできると?

どちらかというと人間の頭(思考)や心(感情)というものを理解している人のほうが、手助けになりやすいんじゃないかなと思うんですよね。 「今 どんな心境ですか?」 「なんで、それが起こったのですか?」と。 そう問われて答えると、結局、「ああ、なるほど、そうやったなあ」という気づきが起こります。 ただ、その答えを自分一人で思い浮かべられるかどうかと言われると、正直、難しいですよ。

なるほど。自分一人だと、誰しも視野狭窄になりがちですから。

そこをコーチが関わることによって、視野が広がる。そんな役割があるんではないかなと思います。 最終的にはね、そういう関係性が家族でも持てるといいんですけどね。

早く「人間になりたい」です(笑)

はは、そうですね。視野が狭くなっているときに、 お互いにフラットにそのことを言いあえる関係が、身近に増えていったらいいなと僕も思います。

社員に対して面接をするときも、赤木さんが僕にしてくれるように、傾聴というのがやっぱり大切なんだと実感しています。 社員が何か自分の問題について話したとしても、すぐに解決案を教えるのではなくて、まずは聴くことですね。そうでないと社員は本音で話してくれないです。 でも、人って、なんか不思議な処方箋を持っているなあと思うときがあるんですね。

不思議な処方箋とは?

当たり前のことですが、十分に話ができたときって、なんかもうそれだけで相手は元気になっているんですよね。 もちろん、それで一件落着ではなく、また問題が発生するんですが、社員をみていると、面談を繰り返すことで整理ができやすいんじゃないかなという気がします。

まさに、答えは相手が持っているからでしょうね。

本人にとっては言葉にならないことだけど、うすうす気づいている・・・。 気づいているけど認めたくないことも含めて、言葉にならなかったことを吐き出したときって、実は大きいんじゃないかなぁと。 その人にとって、言葉にならないものを吐き出せる、そんな関わりを持っていきたいですね。

ほんと、そんな関わりが持てるようになったらいいですよね。
ところで、今まで辰原さんはコーチングや心理学を学ばれてきましたが、それによってご自身が変わったと思うところはありますか?

変わってないんですけどね・・・ 早く人間になりたいなと思っているぐらいですけどね。

「早く人間になりたい」というのは?

例えば社長といった、独立して仕事している人というのは、本人は気づいていないけれど、独特の考えがあり、独特の言葉を喋るらしいんですね。確かに、「普通はこう」と言われても、正直「何が普通」なのかわからないんです。 人間になるというのは、もう少し噛み砕くと、いわゆる経営者独自の思考パターンから他者を見るというのではなく、対極に位置している、例えば勤めている人がどんなことを考えたり感じたりしているのかっていうのを、キャッチできるようになるということです。 それが、僕がいう「人間になりたい」ということかな。

ビジョンは、「個人の成長を促す会社」であること

なりたい自分が出てきたところで、改めてですが、今後のビジョンを教えてもらえますか?

ビジョン・・・なんでしょうね。今ちょっと浮かんだことを言うと。 個人の成長を促すような会社でありたいですよね。 社員だけでなく、これからどうなるんだろう、僕どうしたらいいんだろうと不安に思う人たちの姿を社会の中でたくさん見てきました。そういう苦難があっても、前へ進めるような考えを持てるような人を作りたいです。いや、作るのは僕ではないですね。そんな人が育つような環境、つまり、会社を作りたいですね。

働くだけでなく、人間としての成長を促す会社でありたいということですね。

そう、会社が人を成長させる一つの材料、手段になることです。 やってみて成功した、失敗した、そこから得たフィードバックを元に、次はどうする?ということを繰り返していく。会社を通して、そこで働く人たちが、一歩また一歩と踏み出し続けてほしいですね。

ご自身のビジョンはありますか?

ビジョンではないですが、社長業をやっている間というのは、山を登り続けることだと思っています。今がまだ頂点ではありませんので。なので、社員に対して、まだまだ君らには負けへんで! という気概は持ち続けたいですね。それぐらいの気概を持っているほうが楽しめるんじゃないですか。逆に、もう君らに任せたっていう考えが出てきたときは引き際かな。 そうですね、社長も社員も、人として成長していく場になっている。それが会社の健全な姿かなと思いますね。

本日は、社員さんに対する想いをたっぷり聴かせてもらえました。どうもありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

インタビューを終えて

「『個人の成長を促す会社』でありたいですね。」

そう会社のビジョンを語ってくださったH.Tさん。

社長と社員が切磋琢磨しながら関わっていくことが、会社の健全な成長に繋がることを信念を持ってお話しくださったH.Tさんの話が印象的でした。

これからも、コーチングや傾聴を通して、社員さん一人一人に寄り添い、社長も社員も成長していく、そんな会社を築いていってください。応援しています!!

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